メッキ物質(金、ロジウム、パラジウムなど)を溶解した水溶液(メッキ液)に、陰極(−)に通電したフレームを入れます。この際、液中の金属(+)は、陰極に引っ張られてフレーム表面に付着し、金属膜が生成されます。この操作の繰り返しがメッキです。 フレームのメッキ工程
1 | 洗浄 | 研磨剤、油分などを除去します。
| 2 | 脱脂 | 汚れを完全に除去します。 |
3 | 活性化 |
金属表面の酸化物を溶解させて、素材の活性面を作ります。 |
4 | ストライクメッキ |
素材の活性化と同時に密着の良い膜を付け、この後に行うメッキの密着を強固にします。 |
5 | 下地メッキ |
素材を保護し腐食を抑える目的で行われます。 |
6 | 仕上げメッキ |
フレームに装飾性(美観)を与える為に行います。 | 上記のような基本工程の間に洗浄工程などが入り、仕様によって30〜70工程の処理になります。
メッキの腐食・剥がれ メッキは、耐蝕性・装飾性をよくするためのものですが、薄い膜のメッキでは、素材・前加工(研磨の不良等)の欠陥を補えず、ピンホール(小さい穴)が避けられません。こうしたピンホールがあると、汗や湿気などが穴から入り込み、下地の金属とメッキ金属の間で局部的に電気が流れます。そのために電気化学的腐食が起こって金属が溶解してしまいます。また、メッキ工程における洗浄、脱脂が不十分であったり、活性化が不足すると密着が不十分でメッキの剥がれを引き起こす原因となります。
このような事をなくす為に、下地メッキ・中間メッキ・仕上げメッキ等、多層メッキを施したり、メッキの被膜を必要に応じて厚くしたりしています。
メッキの良い悪いは、お客様が新品のメガネを見ても、まずわかりません。商品によっては、一部メッキ工程を省いたり、簡素化した商品は確かに存在すると思います。メガネをお買い求めになる時は、このような点にも注意されれば良いと思います。 |