さてここで『眼の位置を見て気付く場合というのは、どういうこと?』とお思いになる方が多いと思いますので、小さい子供さんに多い遠視と内斜視について説明します。
皆様が近くを見る時に、眼の中でどういう仕事をしているかと申しますと、まず近くのものを見ようとして両眼を目標物の方向(内側)に向けます。また同時に目標物にピントを合わせる為に水晶体(眼の中のレンズ)を厚くします。このように2つの仕事を同時に行っています。
眼を内側に寄せる運動を輻輳(ふくそう)と言い、また水晶体によるピント合わせの運動を調節と言います。ここで大事なのは、調節と輻輳が同時に行われていることです。
遠視のお子様の場合を考えてみます。遠視の場合は、遠くを見ている時も調節してものを見ています。(眼の知識 遠視参照)ということは、先ほど説明しました輻輳も行っていることになります。遠視の度数が弱い場合は、眼位も正常ですが、強度の遠視では、調節に伴う輻輳刺激が強くなり眼が内側に寄ってしまい内斜視が起こります。
これが調節性内斜視とよばれるものです。このように乳幼児で内斜視がある場合は、強い遠視が考えられます。すぐに眼科で診てもらってください。適切な遠視のメガネを装用すれば眼位(眼の位置)も普通(正位)に戻ります。
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