遠くの景色を見る、テレビを見る、また本を読む。みなさんは遠くから近くまで、なにげなくものを見ています。しかし眼の中では、見ているものをはっきりと見るために、常にピント合わせ(調節)を行っています。簡単に説明するとオートフォーカスのカメラが、目標物に対して常にピント合わせを行っているのと同じです。オートフォーカスカメラの場合は、レンズの部分が伸びたり縮んだりして、目や耳でピント合わせの様子を確認できますが、眼の中のピント合わせ(調節)は、見ることも聞くこともできません。
もう少し具体的に言うと、調節とは眼の中にある水晶体(レンズ)を厚くしたり薄くしたりして、水晶体の屈折力を変化させ網膜にピントの合った像を結ぶ機能のことです。正視(目の良い人)の人が、遠くを見る時は、水晶体を薄くしようとし、近くを見る時は、厚くしようとします。この調節によってものがはっきりと見えるわけです。ただし調節休止状態の水晶体の厚さより薄くすることは、できません。また調節して水晶体を厚くするのにも限度があります。
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