1)ペインクリニックとは
ペインクリニックのペインとは痛みということでありペインクリニックとは痛みに対する治療を行うということです。
2)対象となる病気
痛みを伴う病気がすべて対象になるわけでもありません。例えば虫垂炎のようにお腹の痛みを伴う病気や狭心症のように心臓の痛みを伴う病気、脳出血のように激しい頭痛を伴う病気はなどはそれぞれ内科なり外科、脳外科の対象です。一般的にペインクリニックの対象となるのは
筋収縮性頭痛(ほとんどの頭痛はこれに含まれる。)
頸肩腕症候群
頸椎症、頸椎椎間板ヘルニア
腰痛症、腰椎椎間板ヘルニア
などの頭・頸・肩・腕・腰・足の痛みです。
これらの多くは整形外科の領域と重なっています。
その他に
顔面神経麻痺
三叉神経痛
突発性難聴・メニエル氏病
顔面けいれん
帯状疱疹
花粉症(アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎)
閉塞性動脈硬化症(足先が冷たくなり腐っていく病気)
癌性疼痛
なども対象になります。
3)治療の実際
実際に診療にあたる医師によって治療の仕方は違うでしょう。ただ多くの場合神経ブロックといわれる治療法が選択されることが多いようです。
4)神経ブロックとは
文字とおり神経をブロックする(麻痺させる)ことです。神経をブロックするには麻酔薬を使って一時的に麻痺させる方法と、神経破壊薬を使って神経を壊してしまう方法があります。後者は三叉神経痛や癌性疼痛の場合に使われますが、多くは一時的に神経を麻痺させる方法が使われます。ではブロックしても痛みが止まるのは一時的なのかというとそうでもありません。何度か神経ブロックを繰り返すと痛みがなくなってしまうのです。
よく痛みの悪循環という言葉が使われます。
これは痛みがあると血の流れが悪くなり、血の流れが悪くなると痛い場所に発痛物質(痛みを起こす物質)が出て痛みをさらに悪化させるというものです。そのため一時的にでも痛みを取ってやればこの悪循環を断ち切ることができます。それで神経ブロック療法は有効なわけです。
ただ神経ブロックというのはどの医師でも出来るというものではありませんので専門の先生に相談してください。
各論については富山県立中央病院麻酔科のページへどうぞ。
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