答え: 1(最短4時間弱、秋田新幹線を利用)


・"2社またがり"が最大ネック
・臨時列車の増発、ダイヤ改善など

前回は、臨時列車について、青森が羨ましい状況であることを報告した。
今年8月、青森のねぶた観光に行った帰り、寝台列車の停車時間を利用して秋田駅の周辺をざっと見てきた。秋田駅は今年開通した秋田新幹線効果で、近代的な駅に生まれ変わっていた。秋田新幹線はミニ新幹線ではあるが、「航空機との競争」というキーワードのもと、完全にJR東日本の戦略として組み込まれている。秋田新幹線については、レールの直線化(新設)など、更なる投資をする計画もあるし、北陸新幹線長野行きの開通に伴い、長野と仙台に大宮経由の直通新幹線を走らせるなど、JR東日本の積極的な戦略が目につく。
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東京〜青森へは、新幹線部分もそれに接続する在来線部分も、JR東日本が担当している。しかし、東京〜富山間は、JR東日本とJR西日本にまたがって移動しなければならない。一見、何の障害もないようだが、実はこのことが新しいサービスを提供する場合の最大のネックとなっているのではないだろうか。 これまでの継続なら、会社にまたがっていても問題はあまりない。しかし、臨時列車の増発や列車ダイヤの改善など、新しいことをする場合の調整ハードルは高いようだ。
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北陸新幹線の長野以北の建設について、JR側に積極的な姿勢が見られないのも、2社にまたがる新幹線であるということが状況を探るキーワードとなっているのではないだろうか。つまり、飛行機に対抗しなければならないという「戦略(危機感)」がはっきりしないのだろう。国への陳情では、東海道新幹線の代替機能が国家の安全保障という意味でも重要、といえばそれなりに説得力を持つ。しかし、民間企業はどうしても収入や収益を重視する。東京〜富山までは、現在でも三時間ちょっとであり、航空機を必ずしも利用しなくても良いという状況で、いわば”中途半端”なロケーションとも言え、それゆえに飛行機は真の競争相手ではないのかもしれない。東京〜富山間の需要が飛行機に奪われる可能性は少なく、もし、奪われても2社にまたがっていることにより、痛みは半分半分であり、JR側の危機感に直結しない。東京〜秋田間の場合は、鉄道の需要増がはっきりとJR東日本の収益に直結する。しかも、屋台骨(稼ぎ頭)の東北新幹線の乗車率をアップさせるという効果も生む。
JR西日本の場合はどうだろう。どうも積極的な戦略として、北陸地域が位置づけられていないように感じる。次回、原因を考えてみたい。